本来の記憶能力がすっかりすり減ってしまっていたようでした。本人としましたら、この世の終わりかと、一時はまったく困り果ててしまいました。普通の健康体でしたら、何の苦もなく覚えている簡単なことでさえ、すぐに忘れてしまいます。そんな自分に悲観的になるのはしばしばで、それは、仕方がないことだったかもしれません。
しかし、もう一人、前向きな自分が存在していました。"いやいや、早くしっかりと病気を治して、一度失った記憶脳機能を取り戻すのだ"、と毎日一万歩の歩行運動に励んでいる別の私です。そんな前向きなら気持ちと、いまの状態まで復帰することができているのも、妻の支えがあったからです。感謝、さらに感謝です。
昨年秋、リンパ性白血病が発症し、10月16日から8か月間の入院治療期間を経て、その後、今日までの5か月間には、リハビリ訓練を行ってきています。
本日は機能回復施設で過ごす一日でした。退院後、脳機能の回復のため週三回、二箇所に通っています。効果のほどは人それぞれに違いがあるようで、一概に、いついつまでに治るということもないようです。明日、主治医、稲野医師の定期検診を受ける予定、私の脳細胞が順調に再生されていることを心から祈っています。
