MASA@白血病→記憶障害

61歳で白血病になった。

脳機能の回復を期して

 時刻は、夜10時過ぎです。明日はどんな一日になるのだろうかと、毎晩、ベッドに横になりながら、私は新しい日の到来に思いを馳せます。きっと良い日になる、必ずそうなる、必ずそうしてみせる、そのように強く信じて眠りに就きます。自分の気持ちを整理し、前向きな姿勢での決意表明を自分自身にしています。この誓いは、リンパ性白血病治療を終え、病院を退院してから、私にとっての、一日の生活の中のルーティンのひとつともなっています。

 もともと、怠け癖のある私ですから、日々、自らを鼓舞しなくてはいけません。それに加え、家内からの心こもった、私の身を案じているからこその叱咤激励があります。私は、この病にけっして負けない、負けてたまるか、といった強い意志を持ち続けることができています。

 この病に倒れるまでは、何事も往々にして易きに流れがちな、他人様からの見方によりましたら、ある意味で、"イージーゴーイング"(気楽に行こうぜ)、何事にも対しても深く考えない、といった風な性格で生きてきていたようでした。ですから、この究極の状況を克服するために生半可な行動では、何も改善されることはなかったはずです。ややもすれば、ただただ後退するだけだったことでしょう。そのような状態に陥入ることは、重々承知していましたから、もう、この期に及んで、そんないい加減で不埒な対応は許されないと、私なりの強い覚悟を決めることが求められました。

 発症の状態からは、元の脳機能をそっくりそのまま、元のレベルまで取り戻すことは期待できませんが、少なくとも、一般生活を普通に過ごすことができるような状態までは回復したい、そのように願っていた私ですから、日々、脳トレに励むことは、一番大切な必須項目となっていました。

 ここに書き留めています内容は、これまでの自分への戒めであり、また、日本のどこかで、もしや同じ病魔に襲われた方々がいらっしゃり、その方たちにとりまして、何らかの参考になりましたら幸いです。